日本全国の中学校で「置き勉」を巡って新しい動きが出ています。School bag is heavy という動画をyoutubeにアップしたのは広島市立牛田中の「生徒会」です。 18,4キロのスクールバッグを背負いながら登下校しなければならない子ども達が「何とかして欲しい」と動画を作成してyoutubeに投稿したのです。その動画には牛田中の先生達も複数登場しています。子ども達が主役の「生徒会」が先生を巻き込んで、おかしいことはおかしい・・・そう言える学校が羨ましいし、そういう学校が増えていったらいいなあ・・・そう思います。 どうも分からないのが、何故、毎日教科書や問題集、ノートを家に持って帰らないといけないのか・・・です。必要だと思うから持って帰る・・・それが当たり前なのに、学校には何も残してはいけない・・・そんな馬鹿な・・・いつからそうなったのでしょうか。その糞ルール(失礼)を決めた先生達は自分が小中学生の頃、そんなルールがあったのでしょうか。今現在、先生達は自分の教科の教科書を毎日家に持って帰って、毎日、勉強していますか?それを五教科(とは限りませんね)全部やらせようとしているんですよ。どうかしているでしょう。 小中学校の児童・生徒の気持ちになって「置き勉」を考えてみましょう。習い事が当たり前の今、家に教科書を持って帰って、それを全部開く子は100人中何人いるでしょう。僕は0人だと思います。小学生の大切な仕事は「遊ぶこと」です。学校から帰ったら「遊ぶ」のが当たり前の子どもの姿ですよね。それから夕飯を食べて・・・宿題をやって・・・お風呂に入って、早寝早起き・・・どこに毎日、教科書を開ける時間がありますか?私立受験の子達には塾が待っています。塾のテキストをガンガンやらされている子ども達に学校の教科書を開ける時間はありますか?そんな当たり前のことがどうして分からないのか・・・僕は今の先生達の想像力のなさが心配になります。 中学校ではどうでしょう。部活をやって、ご飯を食べて塾(習い事)。塾から戻るのは10時過ぎでしょう。毎日のように学校で「課題」を出されて・・・塾の宿題もある。そんな中学生に学校の全ての教科書を開ける時間などある訳がありません。そもそも、先生達自身はそういう勉強をしたのでしょうか・・・あなた方は毎日、学校の教科書を家で開いていましたか?そう、聞いてみたいですね。毎日20キロ近い荷物を持たされて登下校させる意味はなんでしょう。子ども達に強制的に重いものを持たせる・・・成長期の子ども達に健康被害がでて当たり前です。 必要ならば持って帰る・・・それを考えるのは子ども達です。それを子ども達自身に考えさせるのが「教育」なのです。「教育」と「強制」は違います。気がつかない内に、多くの学校が「日大アメフト部」になっていることに気がつかなければいけません。 全ての教科書を持って帰らせたら、家で勉強をするのではないか・・・そんなアホなことを考えること自体、「教師」としての素質がありません。子ども達は「教科書」を持って帰る必要性を感じれば、黙っていても持って帰ります。勿論、忘れる子もいるでしょう。それも子ども達の「選択」です。子ども達の人生なのですから、子ども達が「選択」するのが当たり前です。「教師」はアドヴァイスをすればいいのです。クラスに40人の生徒がいれば、40通りの事情があります。40通りの体格差があります。学校は「軍隊」でもなければ「日大アメフト部」でもありません。自分で「考え」自分で「選択」することの大切さを教えるところです。それが分かっていない「教師」が多すぎます。現役の教師達も自分の「脳みそ」で考えないから、こういうアホ臭いことが延々と続くのです。 今までそうだったから・・・・去年はそれで何も起きなかったから・・・誰もクレームを言わなかったから・・・教師が考えられなくなったのは、そういう「いい訳」を携帯しているからです。自分で考えられない「先生」に習った子ども達が、自分で「考え」「選択」するのは至難の業です。 これから「教師」を目指すあなた方には、自分の頭で考える子ども達を育てて欲しい。それにはあなた方自信が「先輩」の言いなりになるのではなく、自分の頭で考えて、意見を言うことです。若い人たちの柔らかい考えで、これからの学校は進化していくのです。 *僕がいた頃の五中に「置き勉」ルールはありませんでした。そういうクラスはあったかも知れませんが・・・学校としてのルールはなかったのです。その時の五中の学力は県でトップでした。埼玉大学付属中学と五中で競っていたのです。僕が子ども達に言った言葉はこうでした。「教科書は持って帰ることはないよ。でも、ノートは持って帰った方がいいよ。寝る前にノートを枕元に置いて、布団の中で今日の授業を思い出すんだ。そして、思い出せなかったらノートを開ける。それを朝、もう一度繰り返すんだ。寝る前の5分、起きる前の5分・・・それだけのノート勉で記憶は定着するんだよ。」これは記憶の中枢「海馬」の性質を利用した勉強法ですが・・・それをやった子もいれば、やらない子もいました。子ども達の「選択」ですから、それでいいのです。その勉強法で学年のトップになった子もいれば、やらずに成績が落ちた子もいました。やったけどそれ程伸びなかった子もいたでしょう。 それでいいのです。子ども達が自分で「選択」することが大切なのです。ノート勉はたった10分だけのことですしね。僕は今、寝る前に世界一周(世界地図を頭の中で思い出して、192の国の名前を暗唱する)をしてから寝るようにしています。2分で終わります。(笑)